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 新星現る!イチゼロ年代の雄、新章突入!

  2960P
  【VRF2010】iDOLM@STER/雪歩/絶体絶命  
(2010.09.07 up)


 鉛の詰まった鈍器の重さを持ちながら、実際にぶん殴る面は布でくるんである。
 それが個人的2960Pの印象である。実に芯が強いのだが、手触りが優しいのだ。

 点描かとすら思うほどに、その世界は曖昧で。境界線を見失いそうになる。
 でも雪歩は確かにそこにいて。囁かれる言葉は耳を捉えて離さない。
 余りにも、余りにもむき出しなその言葉を聴いているしかない自分が歯がゆい。
 ああ雪歩は絶対に俺ごときの手が届かない場所にいるんだと思うのだけれど。
 同時に無理矢理その手を引っ掴んで、こっちに抱き寄せたい衝動にも駆られるのだ。

 その現実の重さをむき出しの言葉に。その優しさを情景に。
 同時に抱えて、そして独りを望むその姿。
 2960Pの作品の強さは、この矛盾した世界で
 しっかり二本の足で立つ雪歩に象徴されているように思う。
 この空の青の蒼さゆえに抗えぬほどに絶望するような世界が、自分は大好きなのだ。
 そこに無条件の幸福などありはしない。
 でも現実から目を背けず、なおもまっすぐに立ち続ける。
 明日がたとえ突然失われるとしても揺らぐことのないその在り様を。自分は目撃したい。
(damehumanoid)

   
   

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